黄金のシルク

 カンボジアの生糸は本当に綺麗な黄色、それが日に当たると「ゴールデンシルク」と呼んでもおかしくないほどに美しい。僕たちはカンボジアで伝統的に飼育されてきた熱帯種の「カンボウジュ」と呼ばれる黄色の糸を吐く蚕を飼育しています。日本や中国の白い生糸に見慣れてきた私たちにとって、この生糸は驚きでもあります。極端に品種改良が進んでしまった白い生糸に比べ、カンボウジュの生糸はシルク本来の良さを持っています。

 IKTTは設立以来、カンボジアで黄金のシルクを復活させる努力をしてきました。環境に適合する品種改良された蚕ではなく、元々その土地にあった蚕が生み出す丈夫でしなやかな糸を使うことで、品質の高い布を織ることができます。

 IKTTのシルクは、機械ではなく繭から手で糸を引いています。その違いは布に触れていただければわかる。引き手の温もりが糸に込められています。温もりがあり、身体にまとうことのできる布。それが、IKTTの布です。

自然染色

 一般的に自然染料は「色が薄い。落ちやすい。」という人がいるけれども、僕らは自然の染色の技術として非常に完成された技術を持っています。そして完成度が高い。僕らが染めた色は落ちません。僕はもともと染屋だから、色落ちするものを僕は染めたとは言わない。そして僕らが染めた色は洗っても落ちない。僕らが使っている黄金のシルクの風合いとともに、何度か洗ってやると色がさらに生きてきます。5年後に見える色がある、10年後に見える色がある。これがIKTTの布の特徴です。

 全ての植物には色があります。「濃い色が出る植物」や「染めても色が落ちてしまう植物」があるけれども、僕らはその中でも堅牢度が高くなおかつ集めやすいものを使って染めています。例えば、染料植物の有名なもので「サフラン」がありますが、1g数千円で取引されています。そんな高価な染料を使ってTシャツを染めたら、値段的に商品にできない。だから材料が集めやすくて堅牢度が高い素材を選びます。僕も20〜30年前にいろんな染め材を探していた時期があって、例えば、今まで人が染めたことの無いような素材に挑戦していました。僕にとっては手に入りやすいバナナの葉っぱだとか、ココナツの殻だとか、アーモンドの葉っぱとか。そういうものを見つけて、現在もIKTTで染め材として使っています。それは伝統的に使われてきた染め材ではなく、ある意味では「現代のカンボジア」という土地で見つけた染め材だと、僕は思っています。

カンボジア伝統絹絣の柄

 カンボジアの絣の伝統的な柄は、200〜300種類以上あると言われています。その中で僕たちが選んでいる柄というのはお客様にいいねと言っていただける柄を選んで織っています。伝統というのは「ただそれを守る。再現する。」ということではなくて、僕らは「新しい伝統を作る」という立場に立っています。そういう意味では、今の時代の中で好まれる柄を大切にしています。

 需要があるからモノが作られる。オンデマンド。アンコール時代、ここに素晴らしい王朝があって、その中で人々がカンボジア伝統の絹絣を愛でる需要があったんだろうと思います。僕らが今やっている伝統の柄は、すでにアンコール時代にあったものだと理解していて、それが脈々と受け継がれて現代に至っているというふうに思っています。だから僕たちが今やっている柄はアンコール時代に流行っていた柄をやっているのかもしれません。

 僕らの基本は全て手作り。自然のものだけで布を作ります。布を触ってもらったら違いを感じてもらえる。現代にそういった布の需要があるから、僕たちはこれからもカンボジアで「新しい伝統を作る」立場にあると理解し、カンボジアの素晴らしい伝統とともにIKTTオリジナルの布を作り続けます。

黄金のシルク

 カンボジアの生糸は本当に綺麗な黄色、それが日に当たると「ゴールデンシルク」と呼んでもおかしくないほどに美しい。僕たちはカンボジアで伝統的に飼育されてきた熱帯種の「カンボウジュ」と呼ばれる黄色の糸を吐く蚕を飼育しています。日本や中国の白い生糸に見慣れてきた私たちにとって、この生糸は驚きでもあります。極端に品種改良が進んでしまった白い生糸に比べ、カンボウジュの生糸はシルク本来の良さを持っています。

 IKTTは設立以来、カンボジアで黄金のシルクを復活させる努力をしてきました。環境に適合する品種改良された蚕ではなく、元々その土地にあった蚕が生み出す丈夫でしなやかな糸を使うことで、品質の高い布を織ることができます。

 IKTTのシルクは、機械ではなく繭から手で糸を引いています。その違いは布に触れていただければわかる。引き手の温もりが糸に込められています。温もりがあり、身体にまとうことのできる布。それが、IKTTの布です。

自然染色

 一般的に自然染料は「色が薄い。落ちやすい。」という人がいるけれども、僕らは自然の染色の技術として非常に完成された技術を持っています。そして完成度が高い。僕らが染めた色は落ちません。僕はもともと染屋だから、色落ちするものを僕は染めたとは言わない。そして僕らが染めた色は洗っても落ちない。僕らが使っている黄金のシルクの風合いとともに、何度か洗ってやると色がさらに生きてきます。5年後に見える色がある、10年後に見える色がある。これがIKTTの布の特徴です。

 全ての植物には色があります。「濃い色が出る植物」や「染めても色が落ちてしまう植物」があるけれども、僕らはその中でも堅牢度が高くなおかつ集めやすいものを使って染めています。例えば、染料植物の有名なもので「サフラン」がありますが、1g数千円で取引されています。そんな高価な染料を使ってTシャツを染めたら、値段的に商品にできない。だから材料が集めやすくて堅牢度が高い素材を選びます。僕も20〜30年前にいろんな染め材を探していた時期があって、例えば、今まで人が染めたことの無いような素材に挑戦していました。僕にとっては手に入りやすいバナナの葉っぱだとか、ココナツの殻だとか、アーモンドの葉っぱとか。そういうものを見つけて、現在もIKTTで染め材として使っています。それは伝統的に使われてきた染め材ではなく、ある意味では「現代のカンボジア」という土地で見つけた染め材だと、僕は思っています。

カンボジア伝統絹絣の柄

 カンボジアの絣の伝統的な柄は、200〜300種類以上あると言われています。その中で僕たちが選んでいる柄というのはお客様にいいねと言っていただける柄を選んで織っています。伝統というのは「ただそれを守る。再現する。」ということではなくて、僕らは「新しい伝統を作る」という立場に立っています。そういう意味では、今の時代の中で好まれる柄を大切にしています。

 需要があるからモノが作られる。オンデマンド。アンコール時代、ここに素晴らしい王朝があって、その中で人々がカンボジア伝統の絹絣を愛でる需要があったんだろうと思います。僕らが今やっている伝統の柄は、すでにアンコール時代にあったものだと理解していて、それが脈々と受け継がれて現代に至っているというふうに思っています。だから僕たちが今やっている柄はアンコール時代に流行っていた柄をやっているのかもしれません。

 僕らの基本は全て手作り。自然のものだけで布を作ります。布を触ってもらったら違いを感じてもらえる。現代にそういった布の需要があるから、僕たちはこれからもカンボジアで「新しい伝統を作る」立場にあると理解し、カンボジアの素晴らしい伝統とともにIKTTオリジナルの布を作り続けます。